陸前高田訪問 2018.1.23
「なんでこんな日に?」と岩手県のみなさんに言われるぐらいの大雪の本日、COMIN’KOBE2017の募金先である陸前高田の小中学校を訪問致しました。
大雪の中でスリル満点の峠を越え、まず最初に到着したのは、
◆陸前高田市立 第一中学校
今年度から震災で被害にあった子供達に震災を語り継ぐという事よりも、まずは防災や減災の教育をすべきだと始めた防災教育。そのタイミングでこうやってCOMING KOBEからの寄付があって子供達にとっても良い教えになると喜んで頂けました。
しかし雪道の影響で到着が遅れてしまい私たちの到着を待っていてくれた子供達は時間切れで解散してしまい会えずに無念。
そしてこちらの学校のグラウンドには架設住宅がまだ残っていますが、震災当時は150世帯あった住居者も30世帯まで減っていて、今年度で撤去が決まったそうです。仮設住宅がある間は運動会や部活動など徒歩15分の場所にあるグランドを使って行っていたそうです。
在校生は246人。
熊本地震の際に恩返しをしようと子供たちが自分たちだけで募金活動をして10万円以上のお金が集まったそうです。親に貰わないというルールでこれだけ集まる事にビックリで、それだけ意識の高い子供達だと感心です。
こちらの学校は平成8年に完成して、体育館の落成式がなんと2010年3月11日の午前中。その午後に東日本大地震が起こったという皮肉なお話ですが、そのまま避難所として体育館を解放したそうです。逆に言うと完成していなかったら避難所として使えなかったので不思議な運命を感じます。
そしてCOMING KOBEの募金の相談をした所、もしまたこの学校が避難所で使われた時に停電でも使える暖房器具が必要との事でストーブを寄付させて頂きました。
あとは発電機も必要なので最新のインバーター発電機も寄付させて頂きました。
備えあれば憂いなし。もちろんこのストーブや、発電機を使う事が無い事を祈るばかりですが、何かあった時の安心が普段の日常のゆとりを保てる要素でもあると思って、お役に立てればと考えています。
そして続いて向かったのは、
◆陸前高田市立 高田小学校
こちらの学校は立て直しが決まっていて、グランドには市役所が立つそうです。
ただ、震災時に津波がこの校舎の1階まで来て、浸水したそうなので、2階の高さまで盛り土をする計画で現在大工事中。
在校生187人(震災前は400人以上)
ちなみにグランドは津波で浸水してるので架設は立たず、すぐに使えるようになったそうです。
そしてこの学校のシンボルはをグランドにスタンド席がある!」という事だったそうで、運動会などで地域の皆さんや、ご家族のみなさんが見やすいと評判だったそうです。しかし市役所建設などでそのグランドも無くなり、新たなグランドではスタンド席は作られないとのこと。今までシンボルとして地域の皆さんから親しまれていたスタンド席の代わりになるものが欲しいということで大量のベンチを寄付させて頂きます!
まだ納品されていませんが、次の運動会でそのベンチが使われている風景を想像すると胸がワクワクします。
新たなシンボルとしてこのベンチが活躍する事を祈っています。
そして次に訪問したのは
◆陸前高田市立 気仙中学校
こちらは現在の在校生50人の小さな学校で、 地震で完全に使えなくなり、以前矢作中学校という学校が閉校して使わなくなった校舎を使っていて震災以降は授業を行なっているそうです。
以前の校舎は高田松原一本松の近くに資料館として取り壊しをせずに残っています。詳しくはこちら。
そして気仙中学校は来年度に第一中学校さんと合併する事が決まっていて今年でその長い歴史が終わってしまいます。
私たちが到着して、校長室に迎い入れて頂いたのですが、その後に集会所のような所へ案内されて、全校生徒みなさんでサプライズで感謝の歌を送って頂きました。
危なく泣いてしまいそうになるぐらい感動。何より生徒のみんなが全員嫌々歌ってる訳で無く真っ直ぐこちらの目を見て歌っていて、本当に感謝が伝わる歌声に涙腺が緩みます。
私が阪神淡路大震災を経験した中学3年生と同世代の彼らを前に、私からも少しの時間ですが、何故こうやって神戸から恩返しをしているかをお話させて頂き、本当に感慨深い思いでいっぱいです。
その後も校長先生と東海新聞の鈴木さん(今回の募金先をコーディネートして頂きました)から色んなお話を聞いて、また感動です。
被災した気仙の高校2年生(当時小5年生)の子供達に被災して何が一番嫌だった?と質問したところ「支援を受けるばかりが嫌だった」と答えたそうです。
本当にその意識の高さに驚くばかりです。
他にも、運動会や部活で、例え勝てなくても自分の戦ってる姿を見て、地域や家族が喜ぶという考え方になってきたそうで、その子供達の成長にまた大人達は勇気を貰ったそうです。
色んな支援のお陰で今こうやって気仙の街が立て直ろうとしてるんだから例え「足が遅くとも走る。」という考えになったり、この街の伝統芸能である「気仙町けんか七夕祭り(900年以上の歴史があるそうです)」を絶やさない様に担い手になると決めた子供達など、自分で考える人になっているというお話を聞いて胸が熱くなります。
自分がやるべきことを頑張る。そんな事が出来ない大人もいる中でこうやって地震という強大な敵と出会って、沢山傷ついて、でも負けっぱなしだと悔しいからこの経験を生かして成長する。
本当にかっこいいし、尊敬です。
そんな子供達の発表の場などで活用頂くべくスポットライトを寄付させて頂きました。
こんなスポットライトなんて必要ないぐらい輝いている気仙の子供達に出会えてただただ胸が熱くなっています。
阪神淡路大震災から23年が経ち、風化させないという事よりも、まだまだ神戸からやらなきゃいけない恩返しがある。
またCOMING KOBEの活力を頂き、今日出会った全ての人はもちろん、被災した皆さんの未来のお手伝いをする為にまだまだ頑張りたいと思います。
そして石巻市内の小中学校と保育園へも本棚や椅子など子供達の為にご活用頂けるものを寄付させて頂きます。本は教育委員会のお金で買えるけど本棚は買えないという凄い矛盾をお聞きして、プロジェクト結さんの協力のもと今回の寄付に至りました。
石巻市立門脇中学校(本棚、ブックエンド)
結のいえ保育園(絵本ラック、洗える畳)
また訪問出来た際にはそのレポートをさせて頂きます。
以上COMING KOBE17の募金先レポートでした。
引き続き神戸からの恩返しに尽力致します。そして被災地の皆様の一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。
COMING KOBE実行委員長 松原 裕