注射対策センター

題名「絶好調松原」撮影:LD&K菅原氏

 

遂に今週もこの日がやってきた。

街はこの時を迎え、存在を消す様に静まりかえる。草木も光合成を忘れ、息を潜める。闘いの行く末を見守っているのか朝日もこの日は優しく松原を包み込む。

 

そう。昨日は決戦の金曜日。

 

 

それは“漢”と“漢”… 、いや、“漢”と“注射”が己の魂を震わせてぶつかる決闘の日。

互いに修羅と化し、激しく、そして美しく、血で血を洗う一対一の容赦なき闘い。舞台は化学治療室・通称ケモルーム。

 

ガンと戦う為に分子標的薬トーリセルを点滴にて投与するという本来の目的を見事に忘れさり、その注射が一回で成功するかに否かにフォーカスを当てた「注射バトル」。

 

 

たかが注射?

されど注射。

 

注射嫌いの松原にとって重大であり、ガンと同じぐらいの恐怖。

 

現在、21戦11勝9敗1引分と松原が勝ち越しているが、注射サイドも必死で食いついてくる。

 

そもそも、松原の左腕は右腕と違って、血管が曲がりくねっていて、点滴針のリーチを稼ぐ血管を見つけるのが難しい為、かなりの頻度で失敗される。

ひどい時は1日に3回の失敗も経験した事がある。

 

 

「じゃー、右腕にしてもらったらいいんじゃないの?( ˙-˙ )」

 

 

 

 

┐( -“-)┌ヤレヤレ…

 

 

…まだ本ブログの読者で、こんな愚問をする者がいる事にただただ驚くばかりだ。

 

 

 

右腕に点滴されたら、右手の自由が奪われる。それは何を意味するのかと言うと、1時間半の点滴時間中に不自由な左手でiPhoneXを触ることになるのだ。一体不自由な左手でどうやってブログを書けばいいのだ!こんなストレスは無い!イライラで血管が破れそうになるのだ!

 

 

…だが、「失敗されるぐらいなら右腕にして欲しい」と毎回伝えているのにも関わらず、ほとんどの医師はとりあえずこちらが希望する左腕でチャレンジするのだ、、、

 

なんのプライドか知らないが、こっちは「勝ち目が薄いなら、勝てる右にしてください!」と訴えているのにも関わらず、案の定失敗してから、様々な言い訳をして右へと移動する。

 

注射の失敗よりも1時間半、不自由な左手でiPhoneX(←さっきからわざわざXのアピール)を触る方がマシなぐらいやっぱり注射が嫌い。

 

そんなこんなで今年の7月から始まったトーリセルの注射バトルは現在21戦11勝9敗1引分となっている。

 

ちなみに今まで投与してきた分子標的薬は、スーテント(飲み薬)、オプジーボ(点滴)、インライタ(飲み薬)なのでオプジーボの時もこの注射バトルは繰り広げられていたのだが、今の病院とは違い、前の病院は看護婦さんが点滴注射をする病院だったので、失敗率は高く、今の比では無かった。

さっきも言ったが1日3回失敗する事もしばしば。下手な看護婦さんの失敗が続き、ヘルプを出してやってきた代打の切り札的お局 看護婦まで失敗。「お前も失敗するんかーい」と、散々な目に合った。ほぼ毎週ボコボコにされていた。

採血と合わせてトータル1日5回注射という天文学的数字も経験した事がある。

 

そして松原もあれから成長し、こちらが緊張していたり、プレッシャーを与えると失敗し易い事などを学び、さらにこの病院では医師が注射をする為か失敗率も少し低下し、今は互角の闘いとなっている。

 

 

話が長くなったが、そんな歴史のある注射と松原の熱き闘いは今、シーズン2。拮抗した名勝負が続いている。

 

そして本日。

 

 

また闘いの火蓋が切って落とされる。

 

 

が!!!!!!!!!!!!!!

 

今日はその前に誰しもが予想し得なかった世にも恐ろしい驚天動地な出来事が起こったのだ!

 

****

点滴の前の診察。

血液検査の結果も良好。主治医もこの調子が続くように頑張りましょうと喜んでくれ、もちろん続投となったトーリセル。

 

 

さぁ、ここで憎き注射と対面である。ヤツと拳を交える瞬間がやってきた。

 

もはやこの点滴の目的を忘れそうになる。

 

そして今日の注射を担当してくれる医師は初めて見る顔で、年齢は40代前半ぐらい。少し頼りなさそうな顔立ち。

不安が松原の背中をつつく。

 

寡黙に左腕をポンポンするこの医師に

「どうですか?いけそうです?左腕が無理そうなら、右腕でお願いしますね!」

と話しかけるが

「大丈夫だと思いますよ。」

とのこと。

 

決まって医師はこう答える。いつもの返答である。

 

 

ホンマやな?マジで、これで失敗したら、胃液出るまで腹を蹴り倒して、ケツの穴から手を突っ込んで奥歯ガタガタ言わせてから、舌を噛み千切ってやる( ✧Д✧)

 

 

脳内でこの医師を思いっきり強迫ひている間に、遂に敵の針が表皮を破り、松原の体内に侵入してくる。

お!

幸い今日は全く痛みが無い。ラッキー。

だか問題はここから。無事動脈壁を一回で突き抜けれるのか?

 

 

 

決着は一瞬で決まる。

 

 

 

 

どうだ?

 

 

 

 

 

 

(>人<;)たのむ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いよっしゃーー!注射め、見たかゴラァ!また我輩の勝ちだーーー!しかも痛みがほぼ無いから快勝中の快勝!力の差を見せつけてやったぜゴラァ!

 

 

22戦12勝9敗1引分!

 

 

しかし!!!!!!!!!!

 

今日は手放しでは喜ばないのである。問題はここではない。

 

時は病院に到着した8時45分頃に遡る。

 

****

 

診察券を通して、いつも通り向かう採血ルーム。

特に触れては居ないが、毎回診察時間の1時間前に病院に来て、必ず採血をする。ここでもあの憎き注射の登場である。

なので点滴と合わせて1日2回も注射をしているのだ。

 

これだけ文明が進化しているのにも関わらず、何故1回の注射でまとめないのか世界七不思議のひとつである。

 

そして左腕で点滴をするので、基本的にその逆で採血する方が良いとのことで、いつも右腕で採血をする。点滴よりも針は短いし、右腕は良い血管ばかりなので、失敗の恐怖はほぼ無い。

 

 

 

 

 

「アルコールで被れるとか無いですかー?」看護婦さんからお決まりの確認事項を聞かれ、

「ないです。」と爽やかに答える松原。

 

「じゃーチクっとしますねー?」看護婦say

(*_*)

針が突き刺さる。

 

イタッ(´;ω;`)

 

そして妙な間があり、看護婦がこうほざく。

 

「あれ?…    あれ?すみません。もう一回やらせてください。」

 

 

 

 

 

 

∑(!? ̄Д ̄)゚Д゚)・д・) エェーッ!!

さ、採血で失敗したってこと??

 

ええええええええ―(ll゚Д゚;乂)―ァァァ!!!

 

 

 

 

そうなのである。

まさかの採血で注射を失敗されたのである。もう耳を疑うしかない。驚愕である。

 

しまった!油断しきっていた、、、、、、、、

だって採血で失敗って、本命の点滴の前に負けるの?まぢで?

 

あり得ない事態である。

 

 

脳内の小さい松原たちが大至急集まって緊急会議。松原王国大パニック。

 

完全に舐めていた相手にやられてしまい、予想外の展開。

 

例えるなら、

「甲子園常連校が、予選で負ける」みたいな。

うーん、、、、他には、

「下書きでインク切れ」「食前酒で酔っ払う」「映画の予告だけ見て帰る」「素振りでバテる」「マラソン会場までマラソン」、、、、、

 

だめだ!

的確に今の気持ちを例える言葉が見つからない。

 

 

とにかく点滴注射では勝ったが、採血注射で負けを喫する事となった本日。

しかし小さい松原たちの脳内会議の結果、今まで通り、採血注射は練習試合的な位置付けのため、公式の勝敗にはカウントされない事になる。

採血だけにそう採決される。点滴だけに点滴注射こそが我が天敵。

 

…いきなり親父ギャグで、精神を取り乱しましたが、それぐらい動揺は隠せない。

だが、この経験を励みにこれからも細心の注意を払い、「注射」には気をつけたいと思います!

 

 

 

 

「5分以内の荷物の積みおろし」ならいいけど、「5分を超える荷物の積みおろし」は絶対にしません!

 

 

 

 

 

 

 

って、それは停車と駐車の「駐車」を気をつけるって言うオヤジギャグのオチやないかーい!ヾ(-д-;)

“注射対策センター” への3件の返信

  1. いつも不思議に思っていたんです。
    点滴の前に採血があるはずなのに、何も言わない…ギャーギャー言わないというコトは一発成功してるのか〜〜と。

    松原王国の小さな松原たちを一列に並ばせて説教したい!採血の失敗なんかあるあるだし!左腕の血管は、松原さんの性格を表すように曲がりくねっていても、右腕の血管は元気でスバラシイじゃないか!神に感謝するのです!

    注射バトルのブログは松原さんの心の闇が垣間見られて、とても好きデスふふふ。

  2. 注射痛くない時もあるんですねぇ。
    痛くないポイントにさりげに印つけとくとか…。
    「ココは痛くないの。。」みたいな。
    トリーセルが末長く効いて、近いうちにかゆみ止めパッチみたいなシール式になるよう願いますわ。

  3. 松原さん、今回のblog最高でした!!
    (いつも最高ですが、今回は特に)
    まるで小説を読んでいるかのような、最後までワクワク感いっぱいで読ませて頂きました!!
    まさに言葉の天才!もう小説家デビューされた方が良いかと思います♪♪d=(^o^)=b
    自分は、注射が大の苦手なんですが、この松原さん流「注射試合」を思い出して、勇気を貰います!
    一気に寒くなってきましたので、どうぞお身体お大事になさって下さい(^-^)

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